家路 歌詞の意味・魅力考察 浜田省吾
家路
「家路」は1980年に発売された浜田省吾6枚目のアルバム「Home Bound」のラストである10曲目に収録されています。
「Home Bound」収録の曲の歌詞は全てアメリカで書かれており、愛とお金をテーマとする「丘の上の愛」、無機質な都市における格差と憂いを歌った「東京」など、ファンの間で長年愛される名曲揃いであり、時代を経て尚リアリティの増す歌詞が魅力です。
そのラストを飾る「家路」は、正に人生をテーマとした壮大な楽曲であり、人生においてたどり着くべき場所、目指すべき目標へと到達するための道と人生について歌っている、幅広い世代の人に聞いてほしい名曲です。
歌詞概要
https://www.uta-net.com/song/41492/
人はどこから来てどこへ向かうのか、いつか終わりが来ることを知っていながら人は脆く儚い夢を追って迷いながら進んでいく、というメッセージから「家路」は始まります。
歌詞において、人生にはいつか終わりが来て、得たものを失うことが分かっている中で、どのように生きるかを問いかけています。
人生の結果ではなくそこに辿り着くまでの過程を重視するというメッセージを持つ「日はまた昇る」や、いずれ訪れる愛する人との別れを予感しながらも、だからこそ共に過ごす時間の大切にするというメッセージを持つ「初秋」と共通するテーマを見出すことができます。
望んだ愛や夢は時に手に入らず、傷つくこともあり、人生を生きる中で、気がついたら夢や目標から遠く離れていることもあります。
「家路」の歌詞からは、そんな中においても自分の求めるものが必ずあると信じて進む意志を感じます。
悲しみに終わりはなく、進んでも進んでも状況が良くならない。
それどころか、状況は悪化していくことすらある。
色々な人との出会いと別れを繰り返して、ふと気が付けば自分だけが道標の無い道に佇んでいる。
どこに行くべきかが分からない一方で、自分次第でどこにでも行ける、そんなメッセージが魅力です。
人は自分自身や、時には家族や愛する人の生活を守るため、絶えず繰り返す日々を生きています。
それは時に重荷を背負って長い旅を続けるようであり、疲れ果てうんざりすることもあります。
例え、一時的に人生に疲れ果ててしまったとしても、自分にとっての大切な人、守るべきもの、夢や目標があればまた立ち上がり進むことができる。
いつか人生の終わりが訪れ、どんなに一生懸命守り手に入れたものでも、最終的に全てを失うこととなる。
その意味で人は1人きりであり、手放すことのできない冷たく固く重い孤独を伴って生きている。
それでも、自分にとってのたどり着くべき場所、帰るべき場所の存在が進む力を与えてくれることを伝えています。
その途上を「家路」と表現しており、空と道が出会う場所とは正に遥か遠くに見える人生の目的地を表しています。
傷つき苦労し、疲弊して途方に暮れることがあっても、帰るべき場所、辿り着きたい目標が人を導き、こうありたいと願う本来の自分として生きることができる。
人生とは何か、生きる上で何を大切にして生きていくか、そういったことを考えさせてくれる名曲です。
歌詞の魅力考察
「家路」は正に人生をテーマにした楽曲であり、聴く人それぞれに人生があるように、聴く人それぞれにとってそれぞれの意味合いを持ち、異なる解釈ができる名曲です。
いつか人生に終わりが来ることを知りながらそれでも自分の人生を生きる、正に省吾さんらしいメッセージが詰まった歌詞が魅力であり、「空とこの道出会う場所」などの歌詞はジャクソン・ブラウンの名曲「Road and the sky」と省吾さんの所属事務所である「Road&Sky」を彷彿とさせます。
根本的に孤独な存在である人間にとって、家とは最も安心でき安らげる場所であり、帰るべき場所があればそこに向かって歩みを進めることができる、だからこそ自分にとって大切なことは何かを見つめ生きることが大切だと、そう思わせてくれる歌詞が魅力であり、時が経ってもまた何度でも立ち返りたくなる名曲です。
こんなシーンで聴いてほしい
「家路」は人生そのものをテーマとし歌詞に落とし込んだ楽曲であり、自分にとって大切なものについて考えさせてくれます。
これから向かう先や目指すべき場所にに迷った時に自分自身に立ち返るために聴いてほしい名曲です。
また、コンサートで歌われる機会も多いため、チャンスがあれば是非省吾さんの生の歌声でそのメッセージを感じ取ってほしいと思います。
最後に
最後までお読み下さりありがとうございます。
省吾さんの楽曲はどれも心に沁みる歌詞とが魅力ですが、その中でも「家路」は自分自身に立ち返って大切なものを見つめることを教えてくれる、個人的にとても大好きな曲です。
また、収録アルバムである「Home Bound」には、愛とお金をテーマとする名曲「丘の上の愛」、ファンの間で長年愛されておりライブコンサートでも歌われている「終わりなき疾走」、東京における貧富の差をテーマとして描いた「東京」など、名曲揃いとなっており、以下記事にて魅力を解説していますので、気になった方は是非ご一読下さい。
この記事を読んで、1人でも多くの方が省吾さんの楽曲を聴いて自分なりの意味やメッセージを見つけ出してくれるきっかけとなれば嬉しい限りです。