歌の魅力・歌詞考察

終わりなき疾走 歌詞の意味・魅力考察 浜田省吾

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終わりなき疾走

終わりなき疾走」は、1980年に発売された浜田省吾6枚目のアルバム「Home Bound」に収録されている楽曲であり、音楽で成功しスターとなった主人公が挫折や裏切りを経験し、辛い現実に立ち向かい自分にとって本当に大切な愛と夢を追い求めるストーリーとなっています。

1976年のデビュー以降、自らの求める音楽と周囲の期待が乖離し辛い時期を過ごした省吾さんと重なる部分と、そこから脱却し信じた道を進むという強いメッセージが魅力であり、そこからファンの中で「第二のデビュー曲」として知られている名曲です。

音楽への愛と人生への力強いメッセージに溢れており、聴くたびに生きる活力をもらえます。

収録アルバムのタイトル通り、本来やりたかった音楽や伝えたかったメッセージに立ち返る、そんな原点への回帰を感じさせます。

歌詞概要

https://www.uta-net.com/song/9047/

歌詞冒頭では、15歳でギターを持ちミュージシャンを志す少年が描かれます。

音楽に魅せられ、どんな境遇や辛い過去も受け止めて前に進む、そんな夢に向かって強い想いを持つ少年は、省吾さん自身のことを歌っているように感じられます。

やがて、自分の音楽や表現したい想いとメッセージの他に、地位や名声、金、人気といった他者からの評価や商業性によって、進むべき道を見失っていく主人公。

そんな、いつの間にか見えなくなってしまった本当に求める夢や辿り着きたい場所を探し、葛藤しながら「大切なもの」へと立ち帰ります。

それは、ある人には愛する恋人の元へ戻るようなものであり、ある人には自らの故郷や家に帰るようなものであり、省吾さんにとっては自らの音楽に立ち返ることです。

そんな想いがアルバム「Home Bound」と収録楽曲には込められています。

歌詞の魅力考察

ポップミュージックを主として、作詞家を付けたり、自身の思うような音楽活動ができなかった1970年代を経て、本場ロサンゼルスで、スティーブ・ルカサー、ニッキー・ホプキンスなど今ではレジェンドと呼ばれる一流のミュージシャンを揃えて作られたアルバムが「Home Bound」です。

その一曲目を飾る「終わりなき疾走」は、悩みと葛藤を続けた1970年代からの脱却とこれからの音楽活動への強い意志を感じる、省吾さんの決意表明とも取れる名曲です。

歌詞の内容はラブソングであり、本当に大切なものを見つけ、そこに立ち返り生きる指針を見つけたような、強い意志と喜びが綴られています。

省吾さんは後に「J.BOY」にて欧米文化の中で生きる日本人のアイデンティティと自身の存在を問い、「MY FIRST LOVE」にて、それは誰かに憧れ思いを寄せる初恋のような感情だったと語っています。

「終わりなき疾走」では、正に初恋で憧れたロックミュージックと自身の本来の価値観に立ち返り、見落としていた大切なものに再び光を当てています。

「終わりなき疾走」は英訳で「ALL FOR RUN」と表されており、全ては走ることのために、つまりロックミュージックのために全てを捧げる。

そういった意味であり、省吾さんが今後の生き方やミュージシャンとしての在り方を見つけたことが示唆されているように感じます。

最後に

ここまでお読み下さりありがとうございます。

デビューシングルの「路地裏の少年」と並んで第二のデビューシングルと言われている「終わりなき疾走」は、正に省吾さんの音楽への姿勢や決意を表す歌詞が魅力で、今に続く音楽活動の根底に流れる想いが詰まっています。

ファンの間でも高い人気がありライブコンサートでも必ず盛り上がる名曲ですので、気になった方は是非一度聴いてみて下さい。

また、「Home Bound」収録の名曲「丘の上の愛」「東京」「家路」については以下記事で魅力をまとめていますので、良ければ合わせてご一読下さい。

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胎教の時から浜田省吾を聴き続け、サングラスをかけて生まれた28歳。省吾さんの魅力を伝えるべくブログ執筆中。
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