歌の魅力・歌詞考察

もう一つの土曜日 歌詞の意味・魅力考察 浜田省吾

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今回は浜田省吾を代表するバラードの1つであり、ファンのみならず幅広い世代から人気の高い「もう一つの土曜日」について、歌詞の魅力と考察をまとめます。

コブクロや福山雅治など、多くのアーティストにカバーされ、今も尚省吾さんの楽曲の中で上位の人気を誇る名曲です。

もう一つの土曜日

1985年5月22日にシングル「LONELY-愛という約束事/もう一つの土曜日」としてリリースされました。

省吾さんの声とマッチする心に深く沁み入るバラードであり、リアレンジやベスト盤への収録、コンサートでの歌唱、他アーティストによるカバーにより永く愛されている、浜田省吾を代表する楽曲であり私も大好きな曲です。

片想いをテーマとしており、愛する彼女が別の誰かのことを想っており、それが必ずしも幸せな恋愛でないことが示唆されます。

結ばれない恋愛とそこに対する葛藤という意味では、いずれも名曲である「片想い」や「丘の上の愛」と通じるものがあります。

上記2曲の歌詞の意味や魅力の考察は以下記事にまとめていますので、良ければ合わせてご覧ください。

片想い 歌詞の意味・魅力考察 浜田省吾
丘の上の愛 歌詞の意味・魅力考察 浜田省吾

歌詞概要

https://www.uta-net.com/song/4529/

もう一つの土曜日」では、叶わない恋をしているのか、振り向いてくれない男性からの連絡を待ち続ける女性と、そんな女性を慰め悩みを聞いているであろう主人公の姿が描写されます。

毎日の仕事に追われ疲弊し、息が詰まるようなささやかな暮らしの中で、意中の男性と過ごす週末の時間がその女性にとっての生きがいであり、安らぎの場所であることが感じ取れます。

彼との時間が何よりの支えであり、その時間を拠り所として生きている彼女に対し、彼はあまり大切に扱っているようには思えない。

それは仕事等が忙しいのかもしれないし、別の相手がいるのかもしれない。

いずれにしても、彼女を愛しもっと幸せにできる相手がどこかにいるはず、と語りかける主人公。

主人公の愛情が感じられる歌詞が魅力です。

彼女のことを想い続けている自分の存在に気づいて欲しい、振り向いて自分のことを探して欲しい、という主人公の祈りにも似た願いが感じられます。

彼女のことを愛しており、彼女を想い考える瞬間幸福を感じるとと同時に、叶わないかもしれない恋と決して幸せに溢れている状況ではない彼女のことを想って悲しくもなる。

自分が愛している人が、別の相手を追いかけている。

しかもその相手は彼女を決して大切にし愛しているようには見えない。

彼女に幸せになって欲しいと思う一方で、彼女が追いかけている恋愛の行き着く先に幸せはないと考えてしまう。

結局、彼女の幸せを願っているようでありながら、単に自分の元に来て欲しいだけかもしれない。

歌詞のストーリーから、そんな葛藤に傷つき思い悩んでいる主人公の姿が浮かびます。

彼女が生きる拠り所としている彼との時間、週末の夜を自分と過ごして欲しいと話す主人公。

例え一度きりであっても、それきりになってしまうとしても、自分の想いを伝えようとしている主人公の姿が描かれます。

彼女を真っ直ぐに見つめる主人公なのか、二人でいる瞬間だけは彼のことを忘れて自分だけを見てほしいと願う主人公の懇願なのか、依然として彼だけを見つめる彼女なのか、複数の意味合いを持つ歌詞が聴き手を歌詞の世界へ惹き込みます。

彼女のためにしてあげられることは無いかもしれない。

それでも、彼女が拠り所として生きる週末の時間を共に過ごすことはできる。

2人で寄り添って生きよう。

彼女をずっと大切にして幸せにする。

今まで抱えていた想いを吐露し、プロポーズする主人公。

最終的に彼女がプロポーズを受け入れるのか、どのような決心をしたのかは明かされずこの「もう一つの土曜日」は幕を閉じます。

歌詞の魅力 考察

「もう一つの土曜日」の歌詞において、主人公と彼女はそれぞれ片想いをしています。

主人公の視点を主としながらも、そこから想いを寄せる彼女の寂しさや苦悩が読み取れ、聴き終わった後に1本の映画を観た後のような感覚があります。

タイトルの「もう一つの土曜日」とは、彼女が拠り所とする彼と過ごす週末、彼からの連絡を待ち続ける孤独な週末、彼女と主人公が共に過ごす週末、彼女のことを想って一人過ごす主人公の週末、などさまざまな解釈ができます。

週末に束の間の幸福を享受する彼女と、彼女を想って一人週末を過ごす主人公。

彼と過ごす週末を夢見ながらも連絡を待ち続けるだけの彼女。

どの登場人物の視点から見るかによって「もう一つの土曜日」の持つ意味合いは変わってきます。

省吾さんのラブソングには、二人の関係性や詳細を深く描写しないことによって、さまざまな解釈ができるという魅力があります。

「もう一つの土曜日」においても、単なる片想いの歌のようにも、不倫や公にできない恋を歌っているようにも感じられます。

一方で、その巧みな心理描写によって聴く人が「これは自分の物語だ」と思える点にも大きな特徴があります。

また、「ソングライターとはラブレターの代筆屋みたいなもの」と語る省吾さんらしく、聴く人一人一人が自分の経験やその時々に抱いた感情を呼び起こされ、自分なりの解釈や意味を持つ楽曲として大切に聴き続けられる点と、年齢や人生のステージによって自分にとっての意味合いが変わってくる点もまた魅力的です。

そのため、是非とも人生を共にする楽曲として多くの人に聴き続けて欲しい名曲です。

こんなシーンで聴いて欲しい

「もう一つの土曜日」は片思いの歌であり、その恋愛の形については色々な想像をすることができます。

報われない恋愛や片想いをテーマにしていると感じる人もいれば、不倫や浮気をテーマにしていると考えることもできます。

聴く人それぞれが歌詞の背景となるストーリーや登場人物の関係性を想像し、自分の人生に当てはめることができるため、心に響く名曲となり、長年にわたって愛されています。

一人で落ち着いて物事を考えたい時や、恋愛において心の整理をしたい時、内省したい時などに、心を落ち着かせて悩みを見つめる手助けをしてくれる楽曲だと思います。

また、その他のおすすめバラードに関して以下エントリにまとめていますので、ぜひご覧ください。

最後に

最後までお読みくださりありがとうございます。

省吾さんの楽曲には、社会派なロックから心に沁みるラブソングまで多くの名曲がありますが、今回はラブソングの中でも特に人気の高いバラードである「もう一つの土曜日」についてまとめてきました。

読んでいただいている皆様に、少しでもその魅力が伝わると嬉しいです。

以下にアルバム情報を載せていますので、是非その歌詞の世界に浸り、自分なりの魅力を見つけてみて下さい。

また、記事にしてほしい楽曲などがありましたらコメント欄からお気軽にご連絡下さい。

ABOUT ME
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胎教の時から浜田省吾を聴き続け、サングラスをかけて生まれた28歳。省吾さんの魅力を伝えるべくブログ執筆中。
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