【参加レポート】浜田省吾 ON THE ROAD 2025-2026 Under The BLUE SKY Second Period|東京国際フォーラム
ON THE ROAD 2025-2026 Under The BLUE SKY Second Period

この度、浜田省吾のライブコンサート「Under The BLUE SKY Second Period」に参加してきました。
今回の会場は東京国際フォーラム。
土曜日の東京駅は相変わらず多くの人で溢れています。旅行客、買い物客、家族連れ。そして、おそらく同じ目的地へ向かうであろう浜田省吾ファンたち。
そんな人波の中を歩きながら、私は少し不思議な気持ちを抱えていました。
この日を迎えるために、この一年を過ごしてきたと言っても決して大げさではなく、チケットの当落に一喜一憂し、開催が近づくたびにアルバムを聴き返し、「今回は何を歌ってくれるだろう」と想像を巡らせる。
気づけば仕事や日常の中にも、この日がひとつの目標のように存在していました。
しかし、その一方で寂しさもありました。
楽しみにしていた日がやって来たということは、同時にその日が終わってしまうことも意味しています。
そしてもうひとつ。
省吾さんもデビュー50周年を数え70歳を超えました。
もちろん、今も信じられないほど元気ですし、現役そのものです。ステージに立てば圧倒的な存在感を放ち、誰よりも力強く、誰よりも情熱的に歌う。
それでも、ふと考えてしまうのです。
あと何回、この光景を見ることができるのだろう。
あと何回、この場所で同じ歌を聴くことができるのだろう。
自分自身も歳を重ねていく中で、「いつまでも続くものなどない」という当たり前の事実を少しずつ理解するようになりました。
だからこそ、この一日、数時間という時間がとても特別に感じられ、「今日という日を思い切り楽しもう。」そんな気持ちで会場へ向かいました。

あえてライブレポートを書かなかった理由
実はこれまで、私はライブコンサートの感想記事をほとんど書いてきませんでした。
楽曲や歌詞については記事を書いてきましたが、ライブだけは別物だと思っていたからです。
あの空間でしか味わえない空気。
身体の奥まで響く生演奏。
照明や演出。
観客の熱気。
そして何より、その瞬間にしか存在しない感情。
それらは文章だけで伝えられるものではありません。
また、詳細な内容を書いてしまうことで、これから参加する人の楽しみを奪ってしまうことも避けたいと思っていました。
だから今回も、演出や省吾さんのトークや語られたメッセージについて深く触れるつもりはありません。
それでも、文章として書き残しておきたいと思ったのは、残り何年続くか分からないこの貴重な時間を、その場で感じたことだけでも自分自身の言葉として残しておきたい、そんな気持ちが強くなったことがきっかけです。

会場を埋め尽くす5,000人の熱量
東京国際フォーラムに到着してまず感じたのは、先ず何よりもファンの熱量でした。
今回も会場は超満員で、約5,000人もの観客が開演を待っています。
改めて浜田省吾という存在の偉大さと特別さを実感しました。
当然のようにチケットはプラチナ化し、当選することは容易ではない。
その理由が会場に入った瞬間によく分かります。
若い世代から人生の大先輩まで、本当に幅広い年代のファンが集まっていました。
それぞれ違う人生を歩み、それぞれ違う時代を生きてきた人たちが、同じ音楽を愛し、同じ時間を共有するために集まっている、それだけで胸が熱くなります。
省吾さんの音楽は単なる一過性のヒット曲に留まらず、聴く人の人生そのものに寄り添ってきた存在であり、聴く人一人一人の人生や記憶と強く結びついています。
だからこそ、これほど長い年月を経ても人を惹きつけ続けるのだと、強く感じました。
照明が落ちた瞬間
今回の座席は1階席中央付近。
毎回抽選なので贅沢は言えませんが、十分すぎるほど素晴らしい席でした。
開演時間が近づく。
場内アナウンスが流れる。
照明がゆっくり落ち、期待感が会場全体を包みます。
そして大きな拍手と歓声。
ステージ脇から現れた省吾さんを見た瞬間、ありきたりですが「本当に格好いいな」と感じました。
若々しい。
けれど単なる若さではない、年齢を重ねた人にしか出せない渋さ。
積み重ねてきた時間が生む説得力。
そして今なお前に進み続ける人間だけが持つ力強さ。
そうした雰囲気があり、むしろ以前より魅力が増しているようにすら見えました。
自分も歳を重ねるならあんな風に生きたい、素直にそう思わせてくれる存在です。
若さにしがみつくのではなく、年齢を重ねることそのものを魅力へ変えている。
それが浜田省吾という人なのだと思います。

変わらない。そして進化し続ける歌声
開始早々、その声を聴いた瞬間、変わらない歌声に改めて感銘を受けると同時に、聴く度に深みを増すその魅力に省吾さんの凄みを感じました。
ライブでもCDでも配信でも何度も聴いた声でありながら、そこに年月を重ねたことでしか得られない深みと包容力が加わり、正に歌声に人生が宿っていました。
会場の空気が震え、言葉の一つ一つが直接胸に響く。
イヤホンを通じて何度も聴いた名曲と同じであり、全くの別物。
正直、この歌声を生で聴けただけでも今日ここへ来た意味があったと思いました。
開始から数曲、恒例のMCと共にライブが始まります。
半世紀を走り続けた男が選んだ楽曲たち
今回の選曲について、詳細の説明は別の記事や他の方の情報発信に譲ります。
ただ一つ言えるのは、どの曲からも省吾さんの過去と現在が伝わってきた、ということです。
「J.BOY」「MONEY」「終りなき疾走」といった説明不要の代表曲はもちろん、「演奏旅行」「モノクロームの虹」「愛の世代の前に」など、ファンなら思わず唸るような名曲も披露されました。
どれも単なる懐メロではありません。
何十年も歌い続けられてきたからこそ、今の時代に改めて意味を持つ曲ばかりであり、省吾さんが歩んだ道と重なり、より一層の深みと感動を伴って胸に響きます。
そして、このセットリストは「省吾さん自身が今歌いたい曲」というものであり、ファンの要望も踏まえたものとなっています。
ファンから人気の名曲についてはライブのMCにて言及があり、いつも通りのユーモアと優しさ、そして飾らない人柄を感じることができました。
また、省吾さんがセットリストに込めた他の意味については、ぜひ実際にライブへ足を運んで知ってほしいと思います。



私が3回、涙をこらえた瞬間
今回のライブで、私は三度涙が出そうになりました。
一度目
一度目は、ライブが始まった瞬間です。
これは毎回そうなのですが、照明が落ち、演奏が始まり、省吾さんが歌い出した瞬間に自然と目頭が熱くなります。
理屈ではありません。
身体が、この時間の尊さを理解しているのだと思います。
「指折り待ち続けた時間が始まる」その事実だけで胸がいっぱいになります。
二度目
二度目は、聴きたかった曲のイントロが流れたあの瞬間。
演奏が始まった瞬間、それに呼応するようにすぐさま会場全体に歓声が上がり拍手が起こる。
生演奏の迫力と圧倒的な歌声。
そして数千人が同じ感情を共有しているという事実。
手を叩き、拳を突き上げ、共に歌う。
その一体感には不思議な安心感があります。
好きなものを好きだと言い共有できる空間。
それがどれほど幸せなことなのかを改めて感じました。
三度目
そして三度目。
それはライブの終わりが近づいた時です。
アンコールも終盤、楽しい時間ほどあっという間に過ぎていく。
省吾さんの歌詞を借りれば、「このショーももうすぐフィナーレ」まさにそんな瞬間でした。
明日からまた頑張ろうと思える力をもらった。
前を向いて生きようと思える勇気ももらった。
それなのに、この時間が終わってしまうことがどうしようもなく寂しい。
また次を待つ日々が始まる。
そんな、高揚感と喪失感が入り混じった感覚に包まれました。
浜田省吾の音楽と共に生きるということ
世代別調査からも分かる通り、私は会場の中でかなり若い世代です。
リアルタイムで青春を省吾さんの音楽と共に過ごしたわけではありません。
「J.BOY」が世に出た時代を知りませんし、「MONEY」が社会に衝撃を与えた時代も知りません。
それでも、省吾さんの歌詞と歌声には何度も救われてきました。
仕事で苦しい時。
人生に迷った時。
立ち止まってしまった時。
そのたびに楽曲の中に答えを探し、気づけばその言葉は人生の指針になっていました。
人格の一部と言ってもいいかもしれません。
だからライブを観ていて思うことは、自分はこれからどんな人生を歩み、どんな大人になりたいのだろう。
そして、どんな歳の重ね方をしたいのだろう、ということでした。
ステージ上の省吾さんは、音楽だけでなく、生き方そのものを見せてくれているような気がしました。
ライブは人生を照らす場所
そして今回、改めて感じたことがあります。
それは、ライブとは単なる娯楽ではないということです。
もちろん楽しいし最高に盛り上がる。
しかし、それだけではありません。
目の前で演奏される名曲とそれらと共に歩んだ自分の過去を重ね、人生のこれまでとこれからを見つめ直す時間でもあります。
今まで歩いてきた道。
これから進みたい道。
大切な人。
失いたくないもの。
そんなことを自然と考えさせられる。
だからこそ、省吾さんのライブは特別なのだと今回改めて感じました。
歌を聴きに行っているはずなのに、気がつけば人生について考えていました。
私自身、今回現地に足を運ぶ機会に恵まれ本当に幸運でしたし、これからも通い続けようと強く思いました。
また、この日を楽しみに生きていきたい
もし今後、「ON THE ROAD」やファンクラブイベントに参加できる機会があるなら、ぜひ迷わず足を運んでほしいと思います。
そこには、音楽好きとしてだけでなく、一人の人間として感じ取ってほしいものが沢山あります。
歌の素晴らしさ。
圧巻のパフォーマンス。
バンドメンバーたちの生き様。
会場を包む一体感。
そして、自分自身の人生と向き合う時間。
そのすべてが詰まっています。
ライブが終わり、東京駅へ向かう帰り道。
少し寂しい気持ちを抱えながらも、不思議と足取りは軽くなっていました。
また明日から頑張ろう。
また、この日を楽しみに生きていこう。
そんな前向きな気持ちになれたからです。
そして何より思ったのは、「浜田省吾は今もなお、誰かの人生を照らし続けている。」という事実です。
その事実を、この日改めて実感することができました。

