片想い 歌詞の意味・魅力考察 浜田省吾
浜田省吾の書記を代表するバラードであり、代名詞の1つともなっている「片想い」について、その歌詞の魅力と考察をまとめています。
失恋中の方もそうでない方も、ファンの方もそうでない方も素晴らしい歌詞の世界に浸っていただけると嬉しいです。
片思い
1978年9月21日に発売された浜田省吾3枚目のアルバム「Illumination(イルミネーション)」の3曲目に収録された曲。
1979年に「愛を眠らせて/片想い」としてシングルカットされ、その後もリメイクをしながら後続のアルバムやベスト盤に度々収録されているファンの間でも人気の高い楽曲です。
また、最近の例では2020年俳優の加藤和樹さんなど、様々なアーティストにカバーされている点も特徴で、省吾さんが多くのアーティストや表現者に多大な影響を与えていることを表しています。
因みに、浜省の楽曲のカバーで言うと「もう一つの土曜日」も有名で、コブクロ、ダイアモンド☆ユカイ、福山雅治等有名アーティストがカバーしています。
もう一つの土曜日 歌詞の意味・魅力考察 浜田省吾
また、省吾さんのファンとして知られるミスター・チルドレンの桜井和寿さんがBank Bandにおいてカバーした「僕と彼女と週末に」も深いメッセージと唯一無二の個性を持つ素敵な定期ですので、よければ合わせて聞いてみてください。
ご紹介する「片想い」は、タイトルの通り「叶わぬ恋」をテーマとしており、フィクションとは思えないリアルな歌詞が魅力で、省吾さんの深く優しい声と相まって聴く度に心に響きます。
歌詞概要
https://www.uta-net.com/song/1299/
「片想い」では、どれだけ恋焦がれても叶わない恋に苦しみ、いっそのこと忘れてしまいたいと願う主人公が描かれます。
後述しますが、これが男性なのか女性なのか、少女なのか青年なのかは明確には分かりません。
そして、それこそこの「片想い」の魅力的な点でもあります。
自分自身気付かぬ間に愛してしまった相手に対し、その愛に深く深く落ちていってしまう前に、別れるべきだったと後悔している様子が感じられます。
好きだからこそ相手の魅力に入り込んでしまう。
結ばれない恋だと分かっていながら、もっと早く諦めて離れるべきだと分かっていながら、ひと時の夢に縋ってしまう。
そして、その選択が自分自身を辛い悲しみの底に追いやると知っていても止めることはできない。
そんな美しくも辛い片想いの形が描かれています。
一度だけでいいから、ありのままの自分をさらけ出し、自分だけを見て欲しい。
相手からの関心と愛情を向けられることが、片想い中の身にとってどれほど切実で深刻なものかひしひしと伝わってくるリアリティのある歌詞が魅力です。
道ゆく恋人達を見ながら、自分の叶わない恋と、癒えない傷跡を抱えて家路に着く主人公。
今まで自分に向けられていた笑顔は愛情ではなく、単なる気遣いから来る優しさだと心の底では知っていた。
それでもいい、一緒にいられるだけでいい、そう思っていたはずなのにそれ以上を望み、愛を得られず失意に沈んでいる様子が浮かびます。
歌詞の魅力 考察
この曲の素晴らしい点は、男女問わず片想いをしたことのある人の心にあまりにも響くということです。
少年の恋の歌のようでありながら、大人の女性が愛を求める歌のようにも聞こえ、既婚者の結ばれない恋のようにも感じられます。
ファンの間でも、片想いが歌っているのは男性の恋か、女性の恋か、という話がしばしば取り上げられます。
それだけ聴く人に「これは自分の歌だ」と感じさせる魅力があります。
また、歌詞が完成されていることは勿論ですが、省吾さんの深く優しい歌声と相まってとても心に沁みます。
叶わない恋と知っていながらも、側にいるだけでもいいと思ってしまう。
不意に相手から向けられる優しさや束の間の時間を求めてその想いを強くしてしまい、結果深く傷ついてしまう。
頭では分かっていても心がついていかず、人の気持ちは思い通りにならない。
そんな、片想いや失恋の中で経験する感情や言葉にならない想いがあまりにもリアルに歌詞となっており、それが発売から長い時間が経ってもファンに愛されている所以であり、多くの人に聴いて欲しい理由です。
こんなシーンで聴いて欲しい
「片想い」は失恋した際の悲しみ、喪失感、後悔を歌詞に落とし込んでおり、失恋や報われない恋を経験したことのある人にとって、とてもリアルな内容となっています。
恋愛において悲しい経験をした場合、自分の心を見つめ、痛みを受け入れ立ち直るまでに多くの時間を要します。
また、立ち直るまでの間も精神的に辛く苦しいこともあります。
そんな時に、自分の感情や現状を丁寧に見つめ受け入れる助けとなるのがこの「片想い」です。
少しずつ現実を受け入れ自分の気持ちと折り合いをつけるために、辛い時は是非聴いてみて下さい。
最後に
ここまでお読み下さりありがとうございます。
片想いをテーマにした楽曲は数多くありますが、これ程までに聴く人の心に深く沁み入るものはそうそうありません。
また、省吾さんの楽曲の中で叶わない恋や失恋をテーマにしている「丘の上の愛」もオススメの名曲ですので、ご興味のある方はこちらも是非ご一読下さい。