アルバム紹介

浜田省吾 おすすめアルバム ラブソング 青空の扉 〜THE DOOR FOR THE BLUE SKY〜

tsumakawa

青空の扉

青空の扉〜THE DOOR FOR THE BLUE SKY〜」は、省吾さんのアルバムの中で傑作との呼び声も高い作品であり、省吾さん自身も「あまりにも出来が良かった為にその後のアルバム作成に思い悩んだ」と語っています。

発売は1996年11月であり、1990年代のバブル崩壊後の混乱やソ連崩壊による国際情勢の混乱、ノストラダムスの大予言に代表される1999年に向けた陰鬱な空気を吹き飛ばすようなラブソングのみで構成されている点が特徴的なアルバムです。

省吾さんの代名詞として、魅力的なラブソングの存在がありますが、正にその魅力を詰め込んだようなアルバムです。

アルバムタイトルは「新しい恋に落ちる瞬間」を意味しており、新しい恋に落ち、新たな関係へと踏み出す瞬間を「青空への扉を開ける瞬間」と表現しています。

省吾さんの言葉通り素晴らしい曲ばかりであり、ファンの方はもちろんのことこれから省吾さんの楽曲を聴く方にもオススメの一枚です。

個人的にもかなり好きなアルバムであり、人生を通じて何度も何度も聴き返すアルバムの1つです。

J.BOY」「MONEY」のような、現代社会に対するメッセージをテーマとする楽曲や、「僕と彼女と週末に」「RISING SUN」に代表される平和への祈りをテーマとする楽曲とはまた違う、自ら太陽の下へ歩み出すような、そんな爽やかさを感じられる歌詞とメロディが魅力です。

一方で、単に明るいだけではなく、人生経験を積んだからこそ見えるリアリティや哀愁そして徒労感を内包している歌詞からは省吾さんらしさを感じられ、長い時間をかけて何度でも聴きたくなる名曲揃いです。

収録曲

  • 01 BE MY BABY
  • 02 さよならゲーム 
  • 03 二人の絆 
  • 04 彼女はブルー
  • 05 紫陽花のうた 
  • 06 君去りし夏 
  • 07 恋は魔法さ 
  • 08 君がいるところが My sweet home 
  • 09 あれから二人 
  • 10 Because I love you 
  • 11 青空のゆくえ

楽曲魅力・考察

BE MY BABY

https://www.oricon.co.jp/prof/246598/lyrics/I053076/

BE MY BABY」は、ニューヨーク出身の女性3人組グループであり、アメリカにおいて1960年代前半のガールズ・ポップスを代表するザ・ロネッツが1963年8月に発表した楽曲のカバーナンバーです。

原曲へのリスペクトが感じられる一方、省吾さんの歌声とマッチするアレンジとなっており、ラブソングをテーマとする「青空の扉」の一曲目としてとても印象的な楽曲となっており、是非原曲も合わせて聴いていただきたい楽曲です。

さよならゲーム

https://www.uta-ふnet.com/song/9389/

さよならゲーム」は、アルバムの先行シングル曲であり、軽快なサウンドとリズム、サックスが印象的な楽曲です。

タイトルの「さよならゲーム」には、野球におけるゲームと、そんなゲームとの決別という意味が込められています。

人生を9回裏まで戦って、そこで恋に落ちてゲームから離脱し、恋人と自分の人生を生きる。

そんなイメージが感じられます。

疾走感のあるサウンドとストレートな歌詞からは、人生に対する前向きなエネルギーが感じられ、聴くたびに生きる活力をもらえる、そんな魅力に溢れた一曲です。

二人の絆

https://www.uta-net.com/song/44470/

ギターのカッティングから始まるイントロが印象的な一曲であり、こちらも前向きなラブソングとなっています。

主人公が運命の人とも呼べる女性と恋に落ちるストーリーであり、それまで多くの人生経験と恋愛を経て、愛情とは何かを知っているからこそ、出会えた喜びと二人の明るい未来への確信を感じている、そんな歌詞が魅力です。

それまでの痛みや悲しみ、苦悩や挫折が報われる恋愛をテーマとしており、歳を取るほどその歌詞が胸に大きく響きます。

彼女はブルー

https://www.uta-net.com/song/40078/

彼女はブルー」は、これまでの3曲とは異なり片思いをテーマとする名曲です。

彼氏と別れて傷心中の女性と、そんな彼女に思いを寄せる主人公の物語です。

友達としての関係から恋人へと踏み出すことへの躊躇いと葛藤を表現した歌詞は切なさと優しさに溢れており、愛情や恋愛への深い洞察を感じます。

省吾さんのラブソングの中には、「片想い」や「もう一つの土曜日」など、片想いや失恋をテーマとする楽曲も多くあり、そのどれもがセンチメンタルで胸に優しく響く深いメッセージを持っています。

その中でも、この「彼女はブルー」は個人的にとても好きな楽曲であり、本当の意味で人を愛することを知っている主人公の葛藤と優しさが伝わって来る歌詞が魅力であり、その切なさが胸を打ちます。

紫陽花の歌

https://www.uta-net.com/song/24159/

紫陽花の歌」は、梅雨の時期になると聴きたくなる曲印象深い楽曲です。

雨の鎌倉と湘南の情景が脳裏に浮かぶ、不倫をテーマとしているように感じられるストーリーと恋愛の葛藤や苦悩を繊細に表現している歌詞が魅力です。

「紫陽花の歌」を聴くと、その魅力がより一層引き立ち、自分の愛する人や想いを寄せる人を大切にし共に生きていきたい、そんなことを思わせてくれる名曲となっています。

君去りし夏

https://www.uta-net.com/song/51505/

君去りし夏」は、タイトルの通り恋人が去ってしまった夏を回想するかのような、センチメンタルな歌詞が魅力の一曲です。

一夏の出会いと別れの中にある喜びや悲しみ、懐かしさを感じる静かな曲であり、大人になる中で誰しもが抱く、過去の充実した時間への憧憬や戻れない切なさを表現した歌詞は、切ない恋愛を経験した聴き手の心に深く沁み入る魅力に溢れています。

恋は魔法さ

https://www.uta-net.com/song/8697/

恋は魔法さ」は、神戸を舞台とするラブソングであり、ポップで明るい曲調とメッセージが特徴的な楽曲です。

1995年に発生した阪神・淡路大震災の復興支援をする目的で発表された先行シングルであり、シングルの売り上げはチャリティとして寄付されています。

また、省吾さんの所属事務所である「Road&Sky」に所属するアーティストも楽曲に多く参加していることでも知られています。

悲しい事件や災害が発生し、先行きが不透明な時代だからこそ、明るいラブソングが必要という省吾さんの想いや祈りが現れている名曲です。

君がいるところが My sweet home

https://www.uta-net.com/song/51506/

こちらもストレートなラブソングとなっており、曲全体を通じて明るくポジティブなメッセージが印象的な楽曲です。

省吾さんにおいてホームタウンと言えばアルバム「PROMISED LAND」における「マイホームタウン」や「DADDY’S TOWN」が思いかびますが、かつて故郷の街を出ることを夢見ていた少年が成長し、愛する人と出会いその大切さに気付き、誰かと共に自分の人生を歩むことを知る姿を想像することができます。

大人になる過程で喜びも悲しみも多くの経験をしたからこそ、どこであろうと生きていけること、そして愛する人の存在こそが人生において何より大切であることを知っている主人公の経験に裏打ちされた自信と明るさが感じられる歌詞が特徴であり、聞くたびに明るい気持ちになる、背中を押してくれるような楽曲です。

あれから二人

https://www.uta-net.com/song/51507/

明るいラブソングが続いたところから、省吾さんのラブソングの真骨頂とも言える王道バラードである「あれから二人

16歳の夏の恋から始まり、それぞれが別々の場所で歳を重ね、再び会うまでの物語です。

16歳ではなく、時を経て多くの夢や挫折を経験した二人だからこそ互いを本当の意味で思いやり愛することができる。

センチメンタルで繊細な心理描写と、心に沁みるサウンドから省吾さんの紡ぐラブソングの魅力を存分に感じられるオススメの一曲です。

Because I love you

https://www.uta-net.com/song/51508/

片想いをする主人公と、恋愛に傷つき立ち直ろうとするも上手くいかず、そんな自分の状況から抜け出そうとする彼女の描写が印象的な「Because I love you

自分の為に側にいて欲しい、振り向いて欲しいといった、少年の頃の奪う恋ではなく、育てる愛を知っている大人ならではの想いが伝わるストーリーとメッセージが魅力です。

愛する人のために本当の意味で何ができるか、そんなことを考えたくなる一曲です。

青空のゆくえ

https://www.uta-net.com/song/48987/

正にアルバムのタイトル曲と言える名曲であり、ある程度の人生経験を経て多くの痛みや喜びを知り、自分の感情や人との関係性を客観的に見つめる視点を持っている大人の恋愛をテーマとしており、年齢を重ねるごとに深く心に響く歌詞は人生を通して何度でも聴きたくなる魅力に溢れています。

青空のゆくえ」では、好きだというだけで一緒になることを選択できた若い頃と違い、恋愛において相手を傷つけることの辛さや傷つけられる悲しみを経験として知っているからこそ予防線を張って相手に気持ちを踏み出せずにいる。そんな主人公の姿が描かれます。

砂浜の足跡が消えていくように、一時の恋の魔法が解けてしまったとしても、その別れの辛さや悲しみを予期しながらもどうしようもなく相手に惹かれていく様子を表している歌詞が魅力であり、それは正に「恋に落ちる瞬間」であり、「青空への扉を開ける瞬間」なのだと思います。

若い頃の無邪気な勢いや燃えるような感情に身を任せた恋愛ではなく、恋が魔法でありいつか解けること、痛みを伴うことを経験から知っているからこその諦めや達観からは悲観的な印象さえ受けます。

しかしその一方で、恋愛に多くの苦悩や葛藤、辛さがあることを知っていても尚相手との関係に踏み出す覚悟と愛情も感じ取ることができます。

省吾さんの他の楽曲がそうであるように、年齢を重ねるごとに歌詞のメッセージがより一層心に響くように感じられる点が魅力であり、一般的な知名度はなくとも確実に省吾さんを代表する楽曲と呼ぶに相応しいメッセージと魅力に溢れているため、性別や年代を問わず聴き続けて欲しい名曲です。

最後に

ここまでお読み下さりありがとうございます。

青空の扉 〜THE DOOR FOR THE BLUE SKY〜」は、省吾さんのラブソングと歌詞の魅力が存分に詰まった名作です。

往年のファンにも新たに省吾さんの楽曲を聴く方にもお勧めできる名盤であり、発表から25年以上が経った今なお変わらない魅力に溢れています。

一方で、年を取るにつれ深みが増し、聴くたびに感情や想いに深く響くメッセージは、聴き手と共に成長し変化しながら人生に寄り添う正に名曲揃いです。

最後に、アルバム情報をご紹介していますので、是非聴いてその世界に浸って頂けると嬉しいです。

ABOUT ME
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胎教の時から浜田省吾を聴き続け、サングラスをかけて生まれた28歳。省吾さんの魅力を伝えるべくブログ執筆中。
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